ハクキンカイロ
ハクキンカイロとその派生
私が所有しているハクキンカイロ類を紹介します。
「ハクキンカイロ」は注油したベンジンを、プラチナ(白金)触媒で「触媒燃焼」させる事で発熱保温させる原理であるため、クリーンな発熱システムと省エネルギー・再利用ができ、エコの観点から注目されている。また使い捨てカイロの13倍の熱量を発生するので、雪山登山やウインタースポーツに適している。
2003年から実際に使用して重宝してはいるのですが、
カイロとしての総合的な使い勝手では使い捨てカイロや充電式カイロに劣ってしまうと思います。
エコではありますが、コストパフォーマンスは使い捨てカイロの方が上です。
それでもなんとなくこういうレトロなアイテムが大好きなので、
コレクション的に徐々に増えて行ってしまいます。
詳しい説明や薀蓄などはファンサイトがあるのでそちらを御覧になってください。
その他リンク
ハクキンカイロ株式会社 オンラインショップもあります。
HPの雰囲気というか会社の雰囲気が土肥富と似ているような気がします。
(メーカーというよりも職人さんが技術で勝負している町工場という感じで、利益至上主義になっていない辺り)
ハクキンカイロ
※マニアなわけでもないので知識はいい加減です。
釣りなどのアウトドアの際にメインで使っているのが
1970年代~90年代に発売されていたモデル、ハクキンカイロスポーツ用Sです。
燃費が悪い代わりに高火力です。
ベンジン37.5mlで24時間発熱します。
火口は点火芯付Aタイプです。
(私は火口はこのタイプが一番好きです)
デッドストックで購入しました。
サイズはスタンダードモデルより一回りほど小さいですが、
ハクキンカイロシリーズの中でダントツの厚みを誇ります。
その厚みで自立可能です。
孔雀マークが他のモデルと大きく違います。
このスタンダードモデル用のポーチ(?)に入れて首から下げて使っています。
通勤や、プライベートでもインドアの時などに使っているのが
自立用の切れ込みが入ったモデルです。
おそらく1950年代くらいに発売されていたモデルじゃないかと思います。
(孔雀の羽が11本ある時点で、ほぼ1960年代以前のモデルと考えていいと思います)
ベンジン25.0mlで24時間発熱します。
火口は点火芯付Aタイプを無理矢理着けています。
スポーツSとの比較です。
実際に稼動させているのはこの2つだけです。
未使用のBMです。
1990年頃から2009年頃まで発売されていたモデルです。
火口が専用品で汎用火口との互換性がありません。
この火口が専用品であることがこのモデルの最大の欠点でもあります。
もう一つ、BM最大の特徴が火口の横にライターが付いていることです。
このライターはカイロが発熱中は熱くて触れないので、ほぼカイロの着火専用です。
ライター部分の芯から常にベンジンが揮発するので匂いがきついそうです。
つまりBMの特徴(特殊な火口とライター)は全て欠点になってしまっているのです。
左からこはる、PEACOCK mini、サイズ比較の為に置いたスタンダードモデル(点火芯付A)です。
スタンダードモデルよりminiは一回り、こはるは二回りほど小さいです。
蓋部分の穴はこはるがハート型、
PEACOCK miniは一般的な孔雀(9枚羽)です。
こはるはオークションで高値を付けるモデルですが、
このハート型の穴が人気なのかもしれません。
蓋の下部のアップです。
こはるにはこれまた珍しい筆記体調のHakukinの刻印が、
PEACOCK miniは"PEACOCK" BABY SIZE の刻印がそれぞれあります。
火口部分です。
こはるは専用火口で、点火確認ができるインジケーターのシールが貼ってあります。
ちなみにこのシールはすぐに機能しなくなってしまいます。
火口自体も非常に弱く、1シーズンで大抵ダメになります。
PEACOCK miniは汎用火口です。
一時期メインで使っていた点火芯付Aです。
1971~1997年に販売されていたモデルになりますが、
おそらくマイナーチェンジの時期的には最初期の方、70年代のモデルと推測しています。
(付属の別珍の袋や「孔雀の本体」と「ハクキン」の文字が穴になっているので)
こちらは未使用の点火芯付Aです。
これは上のとは逆に点火芯付Aの中でも中期以降のモデルではないかと思います。
写真ではわかり難いですが「孔雀の本体」と「ハクキン」の文字が膨らんでいるだけで穴になっていません。
2005年頃に街はずれの小さな薬局で普通に売っていたので購入しました。
値段はなんと1000円。恐らく発売当時の定価です。
これもかなり古いです。
恐らくA(青函)だと思いますので製造時期は1964~1971年です。
点火テストをしたのみで実際には使っていません。
これは恐らくA(青函)の亜種だと思います。
本来「ハクキン」と刻印されている部分が「PEACOCK」となっています。
裏側の同じ場所には MADE IN JAPAN の文字があります。
海外向けモデルとか、そんな感じでしょうか?
この未使用品はモデル名がよくわかりません。
A(青函)より少し前のものだと思います。
この火口はU火口というモデルみたいです。
これは赤函です。
蓋、本体ともに一体成型ではなく張り合わせてあります。
張り合わせモデルの最終版です。
私が所有しているハクキンカイロの中で最も古いのがこちら、
おそらく「戦前戦後貼り合わせモデル」と呼ばれているタイプです。
1930年代~1940年代製造といったところでしょうか。
何年か前に親戚のお婆ちゃんがくれました。
フタ部分にはPATENT NOが刻印してあります。
蓋、本体ともに張り合わせタイプです。
「正しく使へば五年十年ハクキンの生命は無限!」
とのことで、現に80年近く経った今でも錆こそ目立ちますがちゃんと発熱します。
でも流石にこれは勿体無くて使えないです。
上の戦前戦後貼り合わせモデルと同じくらい古そうで非常によく似ているのが
これも 蓋、本体ともに張り合わせタイプです。
フタ部分にPATENT NOが刻印してあるのも同じです。
大きく違う点として、火口を横方向にスライドして着脱します。
プラチナム用の火口です。
火を使わず、乾電池を押し付けることで点火できるようになっています。
触媒の上にある電熱線が発熱して点火します。
類似品
実際にはハクキンのOEM品です。
当時これを買ったことでハクキンカイロに興味を持つようになりました。
評判はそこそこ良いみたいですが、私は未使用です。
点火テストもしていません。
燃料について
燃料の選択肢はいくつかありますが、選択する上で最も重要な観点は「匂い」だと思います。
最悪の場合、匂いを嗅いだだけで頭痛がするほど体に合わないこともあります。
これには個人差がありますので、まずは自分に合った(匂いが苦ではない)燃料を選別し、
その中でコストやその他の観点から絞り込んで行くのが現実的でしょう。
私の独断と偏見による、燃料の比較表を作ってみました。
※「温度」に関しては私が燃料による温度の違いを実感できない為、
「発熱時間」に関しては同条件での比較が難しい為、
それぞれこの表では言及しないことにします。
※CP=コストパフォーマンスです。
オイル名 | 総合評価 | コメント | 容量(ml) | 価格(円) | 価格(500mlあたり) | CP | 匂い(最重要) | 入手のしやすさ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ZIPPOオイル(ネット通販) | ◎ | 管理人の嗅覚では一番匂いがマシ。 ダントツで入手しやすい。 店頭で購入するとかなり高価だが、ネット通販でまとめ買いをすると専用ベンジンと同等レベルまでCPは上がる。 |
133 | 175 | 658 | △ | ◎ | × |
355 | 380 | 535 | ||||||
ZIPPOオイル(店頭) | △ | 133 | 400 | 1504 | × | ◎ | ||
355 | 820 | 1155 | ||||||
ホワイトガソリン(Coleman) | ○ | 管理人の嗅覚ではZIPPOの次に匂いがマシ。 CPを追求するならホワイトガソリンは最有力。 意図的に青く着色されているので中綿に色が着く。 一斗缶(18L)はENEOSのガソリンスタンドか通販で購入できる。 |
1000 | 1400 | 700 | △ | ○ | △ |
4000 | 3600 | 450 | ○ | |||||
ホワイトガソリン(ENEOS) | 18000 | 6500 | 181 | ◎ | × | |||
ハクキン専用ベンジン | △ | 管理人の嗅覚では匂いが厳しい。 実はCPはあまり良くない。 ハクキン社と同条件でテストができるのは利点。 キャップに問題があり、保管時の揮発量が多く、注油時もこぼしやすい。 おっさんの絵がかわいい。 |
500 | 600 | 600 | △ | △ | △ |
100円SHOPライターOIL | × | 管理人の嗅覚では匂いが我慢できないレベル。 短時間の発熱テストに使うには問題なし。 |
130 | 100 | 385 | ○ | × | ○ |
総合評価にある通り、私のオススメはZIPPOオイルです。
1シーズンで2L以上は軽く使うので、まとめ買いがとても有効です。
コストパフォーマンスではホワイトガソリンの一斗缶がダントツに良いです。
別途アウトドアなどでホワイトガソリンを使う場合や、
ハクキンカイロユーザが近くに多数いる場合はオススメです。
- 最終更新:2016-10-15 23:29:26